BIZEN中南米美術館は、岡山県の東部にある備前市日生町で漁網の製造・販売に従事していた故森下精一氏のコレクションの寄贈により、1975年3月に開館しました。森下氏は商用旅行中に南米を訪れ、古代アメリカ文化の遺物に触れ、その魅力に深く惹かれました。以後、収集を始め、やがて中南米10カ国を網羅し、数量と質の両面で優れたコレクションを築き上げました。これらの収集品が専門家の鑑定の結果、学術的および芸術史的に極めて貴重であることが確認されたため、外部に展示することにし、収蔵品と美術館全体の施設を寄贈して、この美術館を設立しました。美術館の外壁は、岡山県重要無形文化財である備前焼作家の故藤原建氏によって約1万6千枚の備前焼の陶板で覆われています。
収蔵品には、古代アメリカ大陸で作られた陶器、土偶、織物、石器など約2300点が含まれています。古代アメリカには、2つの主要な文明と1つの非文明領域がありました。最初の文明は、メキシコ北部からコスタリカ北部太平洋岸までの広大な中央アメリカ文明(有名なアステカ王国やマヤ文明も含まれます)、そしてもう1つの文明は、主にペルーとボリビアで栄えたアンデス文明です。また、この間のコスタリカの大西洋岸と南太平洋岸からエクアドルに至る中間地域でも特色ある文化が栄え、現在のドミニカ共和国を中心としたカリブ海地域にも個性豊かな農耕文化が栄えました。BIZEN中南米美術館は、古代中南米の各地域、各時代の貴重な遺産を収集し、展示しています。入館して最初に目に飛び込んでくるのは、この「チョコレートの王国」の看板です。
私たちが美術館とチョコレートがどのように関連しているのか疑問に思っていると、館長である森下矢須之先生(森下精一先生の孫)が近づいてきて、美術館の展示品を紹介してくれました。これは人面象形鐙型ボトルで、チョコレート文化の歴史を変えた鐙型ボトルです。通常、アマゾン地域は開拓されていなかったと考えられていますが、このボトルとココアの使用は、アマゾン高地文明がすでに花開いていたことを証明しています。
館長の説明を受けて、私たちは3000年前の土笛を見て、その原理と構造を理解しました。土笛の製法は、単純から複雑へ、個人製造から集団製造へと進化してきました。幸運なことに、館長は私たちにそのうちのいくつかの土笛の音色を聞かせてくれました。時代や形状によって異なる音色があります。そこからも土笛の製法の進歩が見られます。
土笛を吹く館長のショートビデオ(16秒)
形状が異なる土笛と織物
王の朝食
古代には、各国の王族がチョコレートを飲んでおり、それは当時長寿の飲み物とされていました。そして、彼らの国王たちは60歳から80歳まで生きていたと言われています。このようにチョコレートを愛し、それをチョコレート王国と呼ぶことも適切です。写真はそのうちの一人の長寿国王の石像です。
当美術館を訪れる場合は、事前に電話で予約する必要があります。また、館長の解説も事前に申請することができます。
開館時間 | 10:00~16:45(原則事前予約) |
---|---|
入館料 | 大人700円、大学生・高校生500円、中学生・小学生300円 |
アクセス | JR赤穂線日生駅下車 徒歩8分 |
記者 | Cherry |